診療科目

産科・婦人科

一般外来

身体のトラブル、悩み、何でもご相談ください。

→ 生理不順、生理痛などのトラブル
→ オリモノの異常
→ 性交渉のこと

ご自分の生理に関するデータは把握しておくようにしましょう。
最終月経がいつか(生理が始まった日、何日続いたか、が重要です)、ここ1年の生理はどうだったか、など。
受診の時にお持ちいただければ有用なデータとなります。


生理不順、生理痛などのトラブル

月経痛・月経不順への対策”

生理不順の原因は卵巣機能不全やホルモン異常が考えられますが、ストレス、生活環境の変化、体重の急激な増減、心因性のものなどでも不順をきたします。
また生理痛は子宮内膜症という病気で起ってきますが、内膜症ではなくてもひどい生理痛で悩む方はいらっしゃいます。身体の冷えが強い人は生理痛がひどくなりがちです。

自分で出来ること。まず生活習慣を見直しましょう。

  • きちんとバランスの良い食事をしていますか?
  • ゆっくりと入浴をしていますか?
  • 充分な睡眠は取れていますか?
  • 適度に身体を動かしていますか?
  • 楽しいことしていますか?

自分の時間をもう一度見直してみましょう。

不正出血と子宮がん

不正出血で一番心配になるのはやはり「がん」です。
確かに子宮頸がん、子宮体がんともに不正出血が初期症状として挙げられます。

でも閉経後の不正出血は膣炎から起ることがありますし、排卵期に出血を起こすこともあります。
またセックスでうつる病気の中にも不正出血をきたすものもあります。出血といっても原因は様々です。
検査をしないとわかりませんので、まず怖がらずに受診してください。


オリモノの異常

外陰部のかゆみ・オリモノの異常・性感染症

痒みの原因はいろいろありますが、感染によるものは早く治療しなければなりません。
痒みを起こす代表的なものにカンジタというカビの一種があります。
菌自体は珍しいものではなく、男性は常在菌として持っている人も多いものですが、抵抗力が落ちている時この菌が膣内に入ると繁殖して痒みを引き起こし、カッテージチーズのようなオリモノが多量に出ます。妊婦さんがかかりやすい膣炎です。抗真菌剤で治りますので早めに受診しましょう。

一般に痒み止めとして使われることのあるステロイド剤はカンジタによる炎症を増悪させます。
自己判断せず、キチンと検査・診断を受けてください。

一般にオリモノの異常は性感染症で見られます

現在セックスでうつる病気が増加しています。クラミジア、トリコモナス、ヘルペス、カンジタ。
昔から性病と呼ばれている梅毒、淋病などもなくなっているわけではありません。肝炎、エイズなどの危険もあります。

これを防ぐのはコンドームしかありません。
またオーラルセックスでうつる病気もあります。不特定多数の人とのセックスは病気を広げることになります。
セックスは大事なパートナーとの大切なコミュニケーションです。正しい知識を持って健康な性生活を送りましょう。

検査の結果は問題なかったのに痒みが続く・・・という方

この場合オリモノシートの常用、洗いすぎ、などが原因のことがあります。オリモノの量や臭いは生理の周期によって変化します。正常な状態なのに気にし過ぎているということもあります。

いずれにせよ、自己判断や自己治療は危険です。かえって症状を悪化させ、治りにくくしてしまうことも。おかしいな、と思ったらすぐ受診しましょう。


性交渉のこと

パートナーとのセックスについて

パートナーとのセックスはとても大切な問題です。でもなかなか相談しにくい問題でもあります。
セックスレス、セックスでうつる病気への不安、実際にパートナーから感染してしまった場合、B型肝炎キャリアなどパートナーが感染源になると分かっている場合の対応・・・様々な問題がありますが、正しい知識が不可欠です。

まずはご相談ください

まずはお悩みについてご相談ください。できれば婦人科の知識のあるホームドクターを持つことがオススメです。

更年期

更年期チェック

  • 内診
  • 血液検査(血液一般、ホルモンチェック)
  • 子宮がん検診(頸がん・体がん)
  • 超音波による子宮・卵巣のチェック
  • 血圧・体重・体脂肪測定

以上のような項目を適宜組み合わせて行います。
心理カウンセリングが必要な時は改めて予約を取っていただきます。

更年期障害とは?

女性は一般に40代になると卵巣機能が低下し始め、女性ホルモンの分泌が急に減少しだします。このホルモンの急降下が様々な症状を生み出すのです。そして多くの40代、50代の女性にとって、この時期は生活の変化が現れやすい時期でもあります。
こどもの独立、配偶者の定年退職、両親の病気や死亡。
また社会で働く女性は責任ある地位に立つ年齢でもあり、職場での人間関係のストレスも増してきます。

このような内外からの変化にうまく対処できない状態が、更年期障害なのです。

<起こりやすい症状>

肩こり、腰痛、疲労感、のぼせ、ほてり、発汗、目まい、耳鳴り、動悸、イライラ、不安感、不眠、憂鬱気分 など


この他症状は個人により多岐にわたります。多くは自律神経失調症とも似ています。中には何科を受診してよいのか迷うような症状もあります。取りあえずは婦人科で相談してみて下さい。治療法としてはホルモン補充療法、漢方薬などの他、カウンセリングが有効なこともあります。上記の原因の他にその人の性格的なものもとても大きく影響するからです。

また、何でもかんでも更年期症状だと思っていたら別の病気があった、という場合もありますので、キチンとした検査・診断を受けて下さい。

妊婦健診

健診のスケジュール

時期 検査内容 頻度
妊娠初期
12週前後まで
超音波 適宜
妊娠14~16週前後 これ以降、母子手帳持参
血液検査・子宮頸がん検診・超音波
4週に1回
妊娠24週前後 血液検査(貧血・血糖)・超音波
2週に1回
妊娠28週前後 膣分泌物培養検査・クラミジア検査・超音波
妊娠32週前後 超音波・紹介状

妊婦健診にはなるべくパートナーを同伴されることをお勧めします。特に妊娠14週以降の超音波検査は一緒にご覧になれますので、赤ちゃんが発育していく様子をお二人で見守ってあげてください。
両親の良いパートナーシップは赤ちゃんにとっての何よりのプレゼントです。妊娠期間中は身体の状態が変化していくだけでなく、ホルモンのバランスの変化により精神的に不安定になることがあります。

当診療所では妊婦さんが心身ともに安定した状態で過ごせるようサポートしていきたいと思っています。


妊娠のこと

妊娠したら

月経が順調に来ていたのが1週間遅れている/市販の検査薬で陽性と出た・・・この時点で大体妊娠4~5週、尿検査で妊娠反応陽性と出ます。超音波検査では赤ちゃんを入れる袋(胎嚢)が子宮の中に小さく見えてきます。ただし排卵がずれることは順調な人でもあり得ますので、妊娠反応陽性でも超音波で何も見えないということもあります。

また、普段から月経不順の人はかなり週数が進んでから妊娠に気付くケースも見られます。
妊娠10週までぐらいに赤ちゃんを確認し、最終月経と赤ちゃんの大きさを考慮して予定日が決まります。

胎嚢が見えない時は速やかに受診してください

胎嚢が見えない時は、子宮外妊娠や流産などのリスクがあるので、1週間後に再度超音波でのチェックが必要となります。妊娠を疑った場合は速やかに受診してください。

赤ちゃんにとって胎内での10ヶ月間はとても大切です。
受精が成立した時からその子の人生が始まっているといっても過言ではありません。

妊娠期間中、母体が心身ともに安定しバランスの取れた状態でいられるか、パートナーと良い関係を保っているか、そして生まれてから3年間ぐらい周囲の人がどういう接し方をしていくか、などで人生は大きく変わっていきます。

産婦人科(というより現代医療)は人の健康を身体面でのみ捉える傾向にありますが、実は心と身体は密接に関わっており、両面からのアプローチが必要なのです。

各種検診

各種検診のご案内

健康診断事業は自治体や企業などで取り組まれており、その他人間ドックなどを利用される方もいらっしゃいます。

当クリニックでは下記の区検診を承ります。

子宮がん検診は、中野区・練馬区(医師の判断により体がんも可)・新宿区・杉並区
区乳がん検診は、中野区40歳以上の方で、マンモグラフィーを受診する前の触診のみ

区によって期間や必要な手続きが決まっていますので、区のホームページを確認のうえ必要な手続きをお願いします。

カウンセリング

心理カウンセリング

当診療所では、心理相談も受け付けております。
多くの病気の原因は、身体の器質的疾患ばかりでなく、心の問題が影響を与えていることが少なくありません。病気になるのは、その人が全体としてどこかバランスを欠いている、ということなのです。

心に不安・相談したいことがある場合はお申し出ください

一般的な問診としても身体のこと以外のお話しを伺うことにしていますが、特に心理的なご相談がある場合はお申し出ください。

カウンセリングをご希望の方は、予約の際に「カウンセリング希望」と仰ってください。
初めての方の場合、最初の日は15分ほど簡単にお話を伺うことにしております。
その上で、カウンセリングを希望されるのであれば、次回に改めて予約(通常1時間枠)をお取りいただきます。
カウンセリングは相性の問題もあり、患者さんが「ここで話をしたい」と思わなければ意味がないと考えるからです。

*万一予約をキャンセルされる場合は、必ず当日の朝までにお電話ください!
それ以外は、3,000円のキャンセル料をいただきます。

カウンセリングは、基本的に平日の夕方4時台・5時台を予約受付対象とさせていただきます。
(土曜日は受け付けておりません。)

ピルの処方

低用量ピルの内服にあたっての検査

問診、血圧測定のみです。
(状況に応じて子宮がん検診、感染症検査、血液検査などを行うこともあります。)


低用量ピル(OC・LEP)について

1999年日本でやっとOC( 経口避妊薬・低用量ピル)が認可販売されました。世界に遅れること40年のスタートでした。
発売20年以上たった今でも、まだ「ホルモン剤」ということに抵抗感がある方(医療関係者も含めて)が多いように思います。
それは正しい情報が伝わっていないことが原因だと思われます。
メリット・デメリットを知って、ライフプランに取り入れていただければと願います。

2008年から一部のピルが「月経困難症」の治療薬として保険適応になりました。それ以来、避妊を主目的として自費で処方されるものをOC(経口避妊薬)、保険適応のものをLEP(Low dose Estrogen Progestin) と呼び分けていますが、これは日本だけの話で、海外ではすべて一緒にOCとして取り扱われています。
ですからメリット・デメリットも同じということです。


ピルのメリット

*月経痛の緩和
内膜が薄くなるので出血量が減り、発痛物質も減って痛みが軽くなります。
月経痛がある方は保険適応のLEPがありますが、自費のピルでも月経痛の緩和はできます。

*月経コントロール

薬を飲んでいる間出血は起こらず、休薬すると月経のような出血(消褪出血)が起きますが、好きな時に起こせます。大事な試験や旅行などに当たらないよう自由に自分でコントロールできます。

*PMSの緩和

月経周期は2種類の女性ホルモンの変動によって作られています。排卵後の黄体ホルモンが上がる時期に心身の不調が出るPMSですが、ピルを飲むとホルモンが低めで安定するので緩和されます。もちろんPMSの原因(特にメンタル症状)は科学的にまだわかっていないのですが、ホルモン変動がなくなり安定することで軽くなることが多いです。

*ニキビができにくくなる

ピルに入っている黄体ホルモンは自然の黄体ホルモンに比べ皮脂の分泌を活発にする作用が少ないので、お肌はきれいになります。ピルの中には皮脂の分泌を抑える作用があるものもあります。

*確実な避妊ができる

もともとピルは確実な避妊を目的として開発されたお薬です。何とか安全に確実に女性が自分で簡単にできる避妊法がないかと、先人たちの努力によってこの世に生まれたお薬です。
日本ではコンドームが避妊手段として主流ですが、コンドームの失敗率は以外に高いのです。病気の予防のためにはぜひ使っていただきたいものですが、避妊はピルで確実にした方がいいでしょう。

*卵巣がん・子宮体がんの予防になる

排卵は卵巣の皮を破って卵胞が飛び出すことです。ピルを飲むと卵巣は眠った状態になり、排卵はお休みになります。そのことで卵巣がんが減ります。また内膜を押し出すために毎月子宮が収縮を繰り返すのですが、内膜が薄くなって量が減るので強く収縮しなくて済みます。毎月出血させなくてもいいので、回数も減らすことができ、子宮への負担が軽くなります。それが体がんの予防になります。
ピルを飲んでいる人の方が、すべてのがんで比べると飲まない人よりかかりにくいというデータがあります。

*不妊症を防ぐ

100年くらい前まで日本の女性は初経を迎えると14,5歳で結婚し、妊娠出産を10回以上繰り返し、産み終えると閉経、平均寿命もそう長くはなかった、という生活でした。ところが第2次世界大戦後、初経と閉経の平均年齢はそう変わらないのに、産みだす年齢、産む数がだいぶ変わってきました。昔は10人以上産んでいたのが現代は1人か2人もしくは産まない、10人以上産んだらテレビ番組が出来てしまうくらい珍しいことになってしまいました。
これは裏返すと「排卵・月経回数の増加」という問題になります。回数が増えることで前述の卵巣がん・子宮体がんだけでなく、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が増え、また35歳を過ぎると妊娠が難しくなってしまうということが起きています。
排卵は元気な赤ちゃんになる質のいい卵子から排卵されます。初経から産み始めるまで平均20年はかかっている都市部の女性は、いざ妊娠と思った時には卵子の数も減っていますし、質のいい卵子がほぼなくなっていることになります。
卵巣の中の卵子は持って生まれたものを使い続けるだけで新しくは作られませんから、年々老化はします。でもピルで排卵をお休みさせることで質のいい卵子をとっておくことができます。若い時からピルを服用していると30代後半でも自然妊娠することができます。


ピルのデメリット

*飲み始めのマイナートラブル
服用し始めの頃に、胸の張り、気持ちの悪さ、頭痛、むくみ、不正出血などが出ることがあります。ただ現在のピルはホルモン量が少ないので、月経不順の人や胃が弱い人以外はほとんど何も出ないことが多いです。食後すぐに服用すること、胃が弱い人は胃薬と併用することで軽減できます。

*血栓症

血管に血液の塊が詰まってしまうのが血栓症です。ふくらはぎや腕など抹消血管に詰まることが多いので、血栓ができるとむくんだようになって腫れ、握ると飛び上がるほど痛くなります。出来た血栓が血流に乗って心臓から全身に飛んでしまうと重篤な肺塞栓や脳梗塞、心筋梗塞などを発症します。ピルを飲み始めて3ヶ月くらいは血栓症のリスクが少し上がります。ただし、喫煙や妊娠のほうがリスクは高いのです。

ピル処方のためには血圧測定と問診が必要です。

避妊について

日本ではコンドームが避妊の道具とされていますが、実は避妊効果は高くはありません。
コンドームは病気を防ぐ手段、避妊はピルかリングです。

低用量ピル

避妊のために女性が簡単に飲める薬としてアメリカで開発され、1960年に発売になりました。日本で承認発売となったのは遅れること40年、1999年でした。
毎日1錠を飲むだけで、避妊効果は高く、飲み間違いや飲み忘れがなければほぼ100%避妊ができます。

避妊リング

もう一つの有効な避妊法として、避妊リングがあります。
子宮腔内に小さな器具を挿入するだけでピルとほぼ同等な避妊効果があります。
いったん入れると5年間有効で、何もしなくていいので、忙しくてピルを確実に飲めない方に向いています。挿入はクリニックで行います。
昔のものは入れると月経が重くなるという欠点がありましたが、現在黄体ホルモン付加のタイプが出ていて、挿入後半年くらいすると月経量が減り、ほとんど出血しないこともあります。どちらかというと経産婦さん向けですが、出産経験がない方でも使用できます。

緊急避妊薬

避妊なしのセックスがあった時、72時間以内(3日以内)に飲めば妊娠を避けられるというお薬です。日本で認可されたのは2011年、世界からかなり遅れていました。
黄体ホルモン剤(レボノルゲストレル)を1錠服用することで排卵を遅らせる作用があります。ですから100%効果があるわけではなく、排卵の時期に近ければ飲んでも妊娠してしまうことはあります。服薬後産婦人科で確認することが大事です。
現在緊急避妊薬のOTC化(薬局で買えるようにすること)が議論されていますが、そうなったとしても服薬後の産婦人科受診は必要です。
緊急避妊薬はあくまでも緊急事態の時のものです。妊娠を希望していない時期はピルかリングでしっかり避妊しましょう。